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 以上が、≪スクポヴァ・プルゼニュ≫の中止に至るまでの経緯である。刻一刻と変わる状況の中で、国内外の他のフェスティバルや劇場やアーティストと情報交換し、その時々で最善の選択をとり続けなければならない、というスリリングな9ヶ月間。フェスティバル・チームにとって、二度と経験したくないような9ヶ月間であった。
 しかし長い目で見れば、これもある種の実りにちがいない。これほど翻弄されながらも、劇場は止まらなかった。やった仕事が片っ端から徒労になるという最悪の事態にありながら、≪スクポヴァ・プルゼニュ≫はずっと動き続けていた。その裏ではオンライン配信機器設備が充実したり、感染症対策のノウハウを手に入れたり、他国の文化行政にかんする情報が集まったり、フェスティバルのあり方について視野が広がったり、といった副産物も沢山生じた。「日本特集」は今年こそ実現しなかったが、フェスティバル側と日本のアーティスト側の間では、次回2022年での上演を約束している。また「日本特集」プログラムの一部は、2021年6月に予定されている、これまたチェコで最も重要な人形劇フェスティバルの一つである≪マテジンカ≫1)人形劇フェスティバル≪マテジンカ≫のウェブサイト(閲覧日:2020/11/26に移行して実施することが決まっている。これからも動き続けなくてはならない。(図11)

(図11):プラハ市内、閉鎖中のシュヴァンダ劇場。演目の代わりに「文化を止めることはできない」と書かれている(撮影筆者)

※文中で参照した外国語ウェブサイト等の翻訳は全て筆者による。

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