ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』(作・演出=上田誠)
9/18(水)〜26(火) 本多劇場 4,000円
ポストゼロ年代演劇の作家たちに広くみられる特徴のひとつに「作品に物語のほかにメタレベルで提供される遊戯的なルール(のようなもの)が課され、その遂行と作品の進行が同時進行する」というものがあるが、先行世代の作家たちでもっともその特徴が色濃い先駆的存在がシベリア少女鉄道の土屋亮一とヨーロッパ企画の上田誠だ。それは東浩紀の語彙を引用して「ゲーム的リアリズム」と呼んでもいいと思うが、今回の新作も上田がやりたいのは物語でも主題でもなくて、舞台美術(つまり世界)が迷路で構成されるというルールで何が遊べるのかということなんだろうと思う。

遊園地再生事業団『夏の終わりの妹』(脚本・演出=宮沢章夫、美術=林巻子)
9/13(金)〜22(日)  池袋あうるすぽっと 5,000円 
 宮沢章夫主宰の遊園地再生事業団の新作。沖縄を舞台にした大島渚監督の映画『夏の妹』がモチーフに過去の沖縄と現在の沖縄、そして今混乱を深める東京。日本の状況を「インタビュー」形式で浮かび上がらせる。遊園地再生事業団の上村聡と牛尾千聖とボクデス・小浜正寛ら宮沢作品でおなじみのキャストに加え、チェルフィッチュなどで活動してきた松村翔子、エレキコミックのやついいちろうらが参加。群像会話劇からスタートした遊園地再生事業団だが、その後、作風をさまざまに変遷させながら現在に至る。宮沢章夫の「今」はどんな姿を見せてくれるのか。

マレビトの会『試演会』(構成・演出=松田正隆)
9/22(日)3時〜 立教大学新座キャンパス6号館ロフト1 予約不要・無料
 作風をさまざまに変遷させながらと宮沢章夫を評したが、いまやラジカルの極致に足を踏み入れその領域の極北を行くのが松田正隆とマレビトの会である。今回の試演会は来年の本公演に向けての「試演会」ということだが、いったいどんなものになっているのか、果たして演劇の公演といえるのかどうかも行ってみないと検討もつかない。会場は立教大学新座キャンパスと少し都心から遠いが、マレビトの会が今後どこに進むのか目撃するためにぜひとも駆けつけたい。

悪い芝居『春よいくな』(構成・演出=山崎彬)
9/11(水)〜17(火)  下北沢・駅前劇場 3,500円
 関西で面白い劇団ってどこ、注目の作家はだれ、の質問にここ数年挙げつづけてきたのが悪い芝居とそれを率いる山崎彬だ。山崎も作風が毎公演ごとにコロコロと変わり、鵺のようにつかみがたいところがあるが、そういうなかで次々とこれまでの最高到達点を見事に超えてみせる新たな成果を見せてくれるのが旬の劇団ならではの魅力だろう。公演ごとに作風が変わることもあり、どの公演も賛否両論というのがここの特徴だが、今回の『春よいくな』は大阪公演などでの評判がそろってよすぎるのがどうも気になる。いったい何が起こったのか。残り公演日少ないが必見かも。

中西理