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日本劇作家協会が、10月13日、「TPP と著作権に関する緊急アピール」を発表した。

http://www.jpwa.org/main/statement/appeal20161013

同協会は、2013年にTPPに懸念を表明する「緊急アピール」を、演劇系4団体との連名にてすでに発表している。協会が懸念するのは、「著作権保護期間の大幅延長」「非親告罪化」「法定賠償金の導入」などの条項が、表現活動に悪影響を与える恐れがあるにも関わらず、交渉過程が不透明なままに導入される事態の可能性である。

今回の新たな緊急アピールは、その後たびたびの働きかけにもかかわらず、政府が今年11月にTPPに関する一括法案の可決を目指しているという報道に危機感を感じた協会が発したものである。創作者の団体である協会が、以下のような指摘を行っているのは注目すべきだろう。

(政府により2016年3月に提出された)改正案では、「非親告罪化」には一定のセーフガード文言があり、パロディや二次創作がただちに非親告罪化されないなど評価できる部分もある一方、「保護期間の大幅延長」は手つかずでそのまま導入されています。これは遺族の収入増には結びつかず、逆に大多数の作品の死蔵を招き、新たな創造を困難にするとして、国内では一貫して強く批判されてきたものです。
 作家の死後長期間が経過した作品が、権利承継者の強い意向で上演などを制約される例は少なくなく、私達は権利者である以前に表現者として、このことに無関心ではいられません。

このような懸念に対し、協会は「劇作家の表現活動と人々の情報アクセスを守る立場から、冷静に時期を見極めた、 かつ成立ありきではなく個別法案ごとの、十分な審議」の必要性を訴えている。