これから観る舞台10月前半by執筆者・中西理
維新派『MAREBITO』(構成=松本雄吉、音楽=内橋和久)
10/5(土)〜14(月・祝) 岡山・犬島 海水浴場 6,500円
瀬戸内芸術祭に参加し維新派が岡山・犬島に帰ってくる。新作「MAREBITO」の舞台は、犬島の浜に出現する「海の学校」の教室。さまざまな時代から生まれ変わってきた子どもたちがここでその前世や未来を語る、という。今回の会場は豊島や小豆島などが眺望できる犬島南部の海水浴場。水辺の舞台と言えばびわ湖湖畔で上演された「呼吸機械」が思い出されるが、新たなロケーションを手に今回はどんな維新派イリュージョンが展開されるか。
青年団+パスカル・ランベール『愛のおわり』(作・演出=パスカル・ランベール)
10/11(金)〜14(月・祝) 神奈川芸術劇場 3,000円
2011年にフランス・アヴィニヨン演劇祭で初演、評判を呼んだパスカル・ランベールの代表作。その後、フランスの国内外で上演され、モスクワ、クロアチア、ローマ、ニューヨークの俳優による各言語バージョンも製作された話題作の日本版/世界初演。ジュヌヴィリエ国立演劇センター・こまばアゴラ劇場国際共同事業として青年団から兵藤公美、太田宏が参加し平田オリザが日本語訳監修を務めた。2つの視点、2つの沈黙、2つの言説が、死にゆく愛の暴力を明らかにしていく、究極の愛の物語という。
KUDAN PROJECT『真夜中の弥次さん喜多さん』(原作=しりあがり寿、作・演出=天野天街)
9/27(金)〜10/6(日) こまばアゴラ劇場 3,800円
しりあがり寿の漫画を天野天街が演劇化した天野の代表作といっていい1本。日本国内のみではなく、アジア各国での公演でも評判を呼んだ作品の再演でまだ未見の人は必見。漫画原作はその後、宮藤官九郎が映画化したことでも知られるが、天野の紡ぎだす不可思議な世界は演劇ならではのもので、ワン・アンド・オンリーの魅力あり。
シンクロ少女『ファニー・ガール』(作・演出=名嘉友美)
10/4(金)〜14(月・祝) 三鷹市芸術文化センター・星のホール 3,000円
東京に引っ越してきて、最初に考えたのはいままであまり見ることができなかった未見の若手劇団が見てみたいということで、このシンクロ少女もそういう意味で以前から気になっていた劇団のひとつ。三鷹市芸術文化センターの若手劇団発掘企画はこれまでも柴幸男「わが星」を初演し、それが岸田國士戯曲賞受賞につながるなど選択眼の確かさには定評があり、この劇団にも注目したい。
中西理