これから観る舞台1月前半by執筆者・中西理
クロムモリブデン『曲がるカーブ』(作・演出=青木秀樹)
1/9(木)〜 21(火) 赤坂REDTHEATER 3,800円
クロムモリブデンが今回とりあげるのは高校野球らしい。「体罰問題、連帯責任問題、統一球問題(嘘)など高校野球の諸問題を取り上げて書いているとそれはまさに現代の我々の、私の、あなたの問題であることがわかります。(中略)甲子園は極楽浄土であり、甲子園こそ万物の掟なのです。物語は曲がった人々が繰り出す曲がった変化球が、さらにひと捻り、ふた捻りと曲がってゆきます。最後にカーブは曲がるのか!落ちるのか!それとも割れるのか!消えるのか!」とチラシの筋書きにはあるが、どう考えても嘘くさいこの紹介文(笑)。実際に見てみるまで内容の予想はつかないが、なにが出てくるか分からないのがこの劇団の魅力かもしれない。
人形音楽劇『泣いた赤鬼』(原作=浜田廣介、脚色=畑澤聖悟、演出=天野天街)
1/10(金)〜 14(火) 座・高円寺2 3,800円
浜田廣介の有名な名作童話を渡辺源四郎商店の畑澤聖悟が脚色し少年王者舘の天野天街が演出する。2人の鬼才の出会いがどんな化学反応を引き起こすのだろうか。しかもそれが人形劇として上演されるいうのは本当にどうなるのだろう。ことらも実際に劇場で見てみるまでやはり予想がつかないが、ひとつだけ確かなのはここで上演されるのは私たちのよく知っているあの物語とは一味も二味も違うちょっと見たことがないものとなるだろうということだ。
青☆組『人魚の夜』(作・演出=吉田小夏)
1/10(金)〜 20(月) こまばアゴラ劇場 3,500円
ある日、父が、女を拾ってきました。浜辺を散歩していたら、うっかり拾ってしまったのだと言います。こんな海辺の田舎町ではあっという間に噂になるからと、たしなめましたが、その女、もう、戻れないと言うのです……。青年団演出部出身の劇作家のうち以前からその名前は耳にしていたが、まだその舞台を実際見たことがないのが吉田小夏だ。新作の「人魚の夜」は少しふしぎ(SF)な「未来の昔話」シリーズ。日本古来の伝承をモチーフに描く、男と女の物語。あなたの心の琴線をそっとなでる、大人の為の官能的なおとぎ話という。人魚というと高橋留美子の漫画を思い出してしまうが、こちらはさてどんな物語なのだろうか。
中西理