錬肉工房と『オイディプス』を語る 岡本 章 × 鵜澤 久 シアターアーツ・オープンカフェ2013
シアターアーツ劇評家講座オープンカフェ開催!
「シアターアーツ」では、舞台関係者をゲストに招いてお話を伺う「シアターアーツ・オープンカフェ」を開催しています。今回のオープンカフェは、先日前衛的なスタイルで『オイディプス』を上演した錬肉工房主宰の演出家・岡本章さん、同作品に出演された能楽師・鵜澤久さんをゲストにお招きして行いました。
岡本章さんは早大劇団自由舞台のメンバーを中心に1971年に錬肉工房を設立。現代演劇の枠にとらわれない身体表現と演劇言語の可能性を積極的に追求してきました。1974年の「須磨の女ともだちへ」、「アメリイの雨」の連作以来一貫して、古典から前衛の最先端まで視野に入れた舞台活動を展開し、多様な現代アートとのコラボレーションの作業や、能を現代に生かす「現代能楽集」の連作の試みなど、その独自の身体性、即興性を重視した演出は国内外で高い評価を得ています。
今回のオープンカフェでは錬肉工房のこれまでの多面的な活動と、3月に上演された「オイディプス」について、岡本さんと出演者のひとりである能シテ方観世流の鵜澤久さんにお話を伺いました。古典と現代の課題、東西の文化交流、また演技行為における身体性、声、発語の問題など、強度の高い錬肉工房の舞台を構成する要素について語っていただきました。
シアターアーツ・オープンカフェ2013春「錬肉工房と『オイディプス』を語る」
日時:4月28日(日)18時00分 受付開始は17:30から
会場:座・高円寺・けいこば2(地下3階)
料金:1,000円(当日受付精算)
定員:40名
主催:国際演劇評論家協会日本センター 協力:NPO法人劇場創造ネットワーク/座・高円寺
岡本章(おかもと・あきら)
1949年奈良県生まれ。明治学院大学文学部芸術学科教授。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。専門は現代演劇・能研究。演出家、俳優。1971年より錬肉工房を主宰する。編著『錬肉工房・ハムレットマシーン全記録』(論創社)、『大野一雄・舞踏と生命』(思潮社)。共編著『武智鉄二 伝統と前衛』(作品社)。主要演出作品に『水の声』、『無』、『ハムレットマシーン』、『月光の遠近法』、『バッカイ』など。
鵜澤久(うざわ・ひさ)1949年生まれ。観世流シテ方能楽師準職分。重要無形文化財総合指定能楽保持者。銕仙会所属。観世流職分故鵜澤雅(父)及び故観世寿夫、故八世観世銕之丞に師事。三歳で初舞台「猩々」、十三歳初シテ「吉野天人」、1972年「乱」、1974年「石橋」、1982年「道成寺」を披く。現在銕仙会を中心に舞台活動をする他、新しい試みの舞台活動への参加、海外でのワークショップ、招聘公演等国際的な活動を展開。錬肉工房の作品には「春と修羅」(2012年)、「オイディプス」(2013年)に出演した。1990年より毎年川崎市文化財団主催の「こども能楽鑑賞教室」を指導、好評を得ている。「鵜澤久の会」を主宰。東京芸術大学邦楽科、同大学院修了。安宅賞受賞。数少ない女性の能楽師として精力的に活動している。2005年川崎市文化賞を受賞・市民文化大使に任命される。