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浅利慶太  撮影=山之上雅信

劇評講座Ⅳ  2018年12月2日

シンポジウム:浅利慶太の遺したもの

 
【パネリスト】
 小山内伸(演劇評論家・専修大教授)
 高橋豊 (演劇評論家)
 米屋尚子(芸団協実演芸術振興部長)
【司会】
 嶋田直哉(シアターアーツ編集長)
 
【日時】 2018年12月2日(日)18:00~20:00(終了予定)
【会場】 座・高円寺地下3階けいこ場2(JR中央線高円寺駅北口 徒歩5分)
【参加費】一般:500円 AICT会員:無料   事前申込不要
 
浅利慶太が戦後の日本演劇界に変革をもたらした人物であったことは異論がないところでしょう。慶應義塾大学文学部在学中の1953年に日下武史ら10人と劇団四季を創立。旗揚げ公演はジャン・アヌイ『アルデール又は聖女』でした。その後日生劇場の運営に携わり、1979年『コーラスライン』上演を機にミュージカル路線に踏み出します。そして1983年『キャッツ』ロングラン公演などを成功させ演劇の興業形態に変革をもたらしました。70年代にいち早くロイド・ウェバー作品に注目し日本初演を成し遂げ、90年代後半には『ライオンキング』をはじめとするディズニー・ミュージカルの上演など常に新たな観客層の開拓に意欲的でした。またこのような海外のミュージカル作品のみならずオリジナルミュージカル作品の上演にも力を入れ、『ユタと不思議な仲間たち』などの優れた作品を生みました。特に1991年以降の『李香蘭』『異国の丘』『南十字星』=「昭和の歴史三部作」は戦後70年を経た今こそ多角的な考察が必要でしょう。
 今回の劇評講座では劇団四季創立者としての顔だけでなく、オペラや長野オリンピック開会式の演出家としての活躍や、演劇を「食えるビジネス」にした実業家としての側面にも迫ります。本年の最後に浅利慶太の仕事を振り返り、その業績の内容と意義を多角的に検証したいと思います。