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南仏のそのほかのフェスティヴァル

 南仏で開催されるほかのフェスティヴァルについてもふれておこう。モンペリエで開催される2つのフェスティヴァル、プランタン・デ・コメディアン(Printemps des Comédiens、5月30日〜6月13日)、モンペリエ・ダンス(Montpellier Danse、6月21日〜7月5日)によってフェスティヴァル・シーズンは幕を開け、フェスティヴァル・ドゥ・マルセイユ(Festival de Marseille、6月12日〜7月6日)がそこに加わり、アヴィニョンとほぼ同時期に開催されるエクサン=プロヴァンス音楽祭(Festival d’Aix-en-Provence、7月4日〜21日)がそこに加わる。アルル国際写真祭(Les Rencontres d’Arles、現在の名称は「ランコントル・ダルル」、7月7日〜10月5日、オープニング・ウィーク7月7日〜13日)もまた足を伸ばす価値がある。

 ジャン・ヴァレラ(Jean Varela)がディレクターを務めるプランタン・デ・コメディアンでは、予算規模はアヴィニョン演劇祭よりもはるかに小さいが、優れたプログラムで知られる。第39回を迎えた今年も、ジュリアン・ゴスラン『ミュゼ・デュラス』(Julien Gosselin, Musée Duras今回も上演時間11時間の大作に仕上がった)、シモン・ファルギエール『モリエールとその仮面』(Simon Falguière, Molière et ses masques)、ウィリアム・ケントリッジ『アフリカのファウスト』(William Kentridge, Faustus in Africa)、マリアノ・ペンソッティ『年月』(Mariano Pensotti, Los Años)などの話題作が並んだ。

 第45回を迎えたモンペリエ・ダンスは、2025年4月25日に77歳で逝去したジャン=ポール・モンタナリ(Jean-Paul Montanari)がプログラムした最後のエディションであり、今後はモンペリエ国立振付センター「アゴラ」と一体的に運営されることになる(ジャンヌ・ガロワJann Gallois、ドミニク・エルヴューDominique Hervieu、ピエール・マルティネズPierre Martinez、ホフェッシュ・シェクターHofesh Shechterの共同監督制)。バットシェバ舞踊団(Batsheva Dance Company)、アクラム・カーン(Akram Khan)、カミーユ・ボワテル(Camille Boitel)、ホフェッシュ・シェクター、ネザーランド・ダンス・シアター&コンプリシテ(Nederland Dans Theater & Complicite)、マチルド・モニエ(Mathilde Monnier)らが顔を揃えた。

 第30回を迎えたフェスティヴァル・ドゥ・マルセイユ(ディレクター:マリ・ディディエMarie Didier)には、ナセラ・ベラザ(Nacera Belaza)、フェイ・ドリスコル(Faye Driscoll)、クリストス・パパドプロス(Christos Papadopoulos)、リア・ロドリゲス(Lia Rodrigues)ら、地中海諸国を中心に世界各地から招かれた豊かな顔ぶれが並んだ。

 第77回となるエクサン=プロヴァンス音楽祭は、総監督のピエール・オーディ(Pierre Audi)の突然の訃報(5月3日)の衝撃から立ち直る間もなく、モーツァルト作曲、サイモン・ラトル(Sir Simon Rattle)指揮、ロバート・イック(Robert Icke)演出による『ドン・ジョヴァンニ』(Don Giovanni)をもって開幕した。そのほかにも『ルイーズ』(Louise)、『ラ・カリスト』(La Calisto)、『ザ・ナイン・ジュウェルド・ディア』(The Nine Jewelled Deer)などのオペラ作品が上演された。

 第56回のアルル国際写真祭では、パフォーミング・アーツに関係する展示は少なかったものの、オープニング・ウィークに、古代ローマ劇場において複数のパフォーマティヴなイヴェントが行われた。写真祭が開幕した7月8日、ナン・ゴールディン(Nan Goldin)とエドゥアール・ルイ(Édouard Louis)は、ウィメン・イン・モーション賞の受賞記念イヴェントを、ガザにおけるジェノサイドに対する激しい抗議の場に変えてみせた。7月10日には同劇場において、劇作家ワジディ・ムワワド(Wajdi Mouawad)と写真家アラン・ヴィローム(Alain Willaume)による『夢の隙間』(Interstices du songe、ムワワドが自らテクストを朗読した)、劇作家ロラン・ゴデ(Laurent Gaudé)と写真家オアン・キム(Oan Kim)による『私の眼 忍耐強い対象』(Mes yeux objets patients)のパフォーマンスが行われた(こちらから記録映像を見ることができる)。