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[第三次]シアターアーツ劇評講座開催のお知らせ
 「第三次シアターアーツ」では、現代演劇の先端的な問題についてのトークを「劇評講座」という企画で随時展開しています。第5回目となる2月は、昨年亡くなった劇作家・井上ひさしについてトークを行います。


 1934年に生まれた井上ひさしは、戦後の潮流を体現するスケールの大きな活動を行いました。敗戦からスタートし、高度成長期、80年代のバブル期を経て、90年代以後の停滞期を迎えるに至った65年の年月は、井上ひさしの戯曲や小説、エッセイのなかに刻み込まれています。さらに、書くことと社会との関係を誠実に追求した一人の作家として、井上ひさしの活動は演劇や小説だけにとどまりませんでした。膨大な活動へ彼を駆り立てたエネルギーのありかを知ることは、現在の演劇を考える上で欠かすことができません。
 今回のシアターアーツ劇評講座では、演劇評論家・扇田昭彦さんと演出家・栗山民也さんをゲストにお招きして、お話をうかがいます。井上ひさしの活動を振り返るとき、今日の演劇のどのような姿が見えてくるのか、じっくり話し合います。

(司会=新野守広)

シアターアーツ劇評講座 Vol.5「井上ひさしと戦後日本」
日時:2月8日(火) 19時〜21時 受付開始は18:30から
会場:東京芸術劇場小会議室7(東京芸術劇場1F正面エントランスホールからエレベーターで5Fに上がり、5Fの会議室フロアを突っ切って、フロア奥の階段で6Fへ上がってください)
料金:1,000円(当日受付精算)
栗山 民也(くりやま たみや) 演出家。主な演出作品に「獅子を飼う」「GHETTO/ゲットー」「海の沸点」「エヴァ、帰りのない旅」「夜への長い旅路」「氷屋来たる」「カエサル」、オペラ「夕鶴」「喋々夫人」ほか。「太鼓たたいて笛ふいて」「闇に咲く花」をはじめ、「夢の裂け目」「夢の泪」「夢の痂」「組曲虐殺」など数多くの井上ひさし作品の演出を手掛ける。紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞、芸術選奨文部大臣新人賞、毎日芸術賞第1回千田是也賞、第1回朝日舞台芸術賞などを受賞。新国立劇場演劇前芸術監督、現在、新国立劇場演劇研修所所長。
扇田昭彦 (せんだあきひこ)演劇評論家。朝日新聞のほか、雑誌「ミュージカル」「ダンスマガジン」などで旺盛な執筆活動を展開。主な著作に「日本の現代演劇」「劇談」「舞台は語る」「唐十郎の劇世界」「蜷川幸雄の劇世界」ほか多数。「井上ひさし全芝居」全7巻をはじめ、多くの井上作品の解説を執筆。扇田昭彦責任編集「井上ひさし」(白水社)が近く刊行の予定。
お申し込みはこちらから。